脳の殻を剥がす本当の学力を育てる言葉の力



脳を覆う「心の殻」を剥がすために
――本当の学力を育てる言葉の力
「分からない」という言葉が脳を硬くし 、「分かる」という言葉がそれを解きほぐす

「子どもが宿題の答えをただ写しているだけではないか」という悩みは、多くの家庭や教育の現場で見受けられます。

分からない問題に直面したとき、解答を確認すること自体が必ずしも悪いわけではありません。

本当に大切なのは、答えを見たあとにその内容について深く考えたり、自分なりに考え抜いた上で答え合わせをしたりする習慣を身につけることです。

 受け身の姿勢が生む「勉強したつもり」

出された宿題を「提出しなければならないもの」とだけ捉えてしまうと、自分の成長のために取り組むという意識が薄れてしまいます。

その結果、勉強が「やらされているもの」という受け身の姿勢になると、答えを丸写しにして済ませることが当たり前になってしまいます。

このような状態でいくら机に向かっていても、本当の学力を身につけることはできません。

さらに深刻なのは、本人の心の中に「自分は勉強をしている」という錯覚が生まれてしまうことです。

努力しているつもりなのに結果が出ない状況は、「やってもやらなくても同じだ」という諦めを生み、やがて勉強そのものから逃避する大きな原因にもなりかねません。

本当の学習への第一歩は、答えを丸写しにしている状態は勉強ではないと、子ども自身が自覚することから始まります。

 脳を閉ざしてしまう「心の殻」

本来、新しい知識を得ることは脳にとって喜びであるはずです。

しかし、多くの生徒の脳は、まるで硬い岩のように動かなくなってしまっていることがあります。

これは脳が新しい知識や思考を受け付けなくなっている状態で、脳の周りが硬い殻で覆われてしまっているのです。

この殻を作り出している正体は、実は私たちが日常的に口にする言葉にあります。

特に「分からない」という言葉を口にするたびに、脳の周りには新しい殻が一枚ずつ作られていきます。

その積み重ねが、脳を岩のように硬くしてしまうのです。

 言葉の力で脳を解きほぐす

具体的に何をすればよいか説明すると、信じられないと感じたり、思わず笑ってしまったりするかもしれません。

しかし、まずは少しだけ意識を変えてみてください。

脳をこれ以上硬くしないための第一歩は、安易に「分からない」と言葉に出さないことです。

そして、すでにできてしまった殻を取り除くためには、意識的に「分かる」という言葉を使うことが非常に効果的です。

例えば、難しい問題に直面して反射的に「分からない」と言っていた場面で、あえて「分かる」と言ってみるのです。

たとえ、その瞬間に理解が追いついていなくても、意図的に前向きな言葉を発する必要があります。

人間の脳は非常に素直な性質を持っています。

「分からない」と言えば本当に「分からない」という思考に支配されますが、「分かる」と言えば脳が「分かろう」とする力を働かせます。

この繰り返しによって、脳を覆っていた硬い殻は少しずつ剥がれ落ちていくのです。

 前向きな言葉で「学ぶ力」を育てる

こうした言葉の殻は、小学生の頃から少しずつ積み重なってできていくものです。

そのため、問題文を読む前の段階から「分からない」と言ったり、「めんどくさい」と口にしたりすることが癖になっていないか、注意深く見守る必要があります。

特に小学生のうちから「分かる」「できる」といった前向きな言葉を積極的に使うよう心がけると、より高い効果が期待できるでしょう。

脳を閉ざしてしまうような言葉を避け、前向きな言葉で脳を活性化させることが、本当の意味での「学ぶ力」を育てることにつながります。