小学生で育てたい「考える力」
中学生でつまずく原因は「小学生の習慣」にあり?
今こそ育てたい本当の考える力
この力が十分に備わっていない生徒は、難易度の高い問題に直面した際、解決の糸口が見つからずにお手上げの状態になってしまうことが少なくありません。
考える力を育む時期の大切さ
中学生になってから慌てて養おうとしても、学習内容が高度になるため、追いつくのが非常に大変になります。
そのため、学習の土台を作る時期である小学生のうちに、しっかりと考える習慣をつけておくことが理想的といえます。
では、具体的にどのようにして考える力を育んでいけばよいのでしょうか。
その有効な方法のひとつとして挙げられるのが、自分の頭の中にある考えや情報を、目に見える「絵や図」に書き出す習慣を持つことです。
文章で読んだ内容や頭の中で考えたことを、簡単な図や絵に置き換えて表現するように心がけてみてください。
そうすることで、それまで断片的だった理解が整理され、物事の本質をより深く、正確に把握できるようになります。
このように情報を可視化する習慣が身につくと、学年が上がってより複雑で深い内容を学ぶ際にも、スムーズに対応できるようになるのです。
「分かる」という状態の3つの段階
そもそも、私たちが何かを「分かった」と感じる状態には、大きく分けて三つの段階があると考えられています。・第1段階:
最初は、単に頭の中だけで「分かった」と感じている状態です。
・第2段階:
次に、それが自分の中で具体的な「イメージ」として形になり始めた状態です。
・第3段階:
そして最も深い理解に達したといえるのが、その内容を「絵や図」として描き出せるようになった段階です。
この第3段階の状態は、物事の全体像をしっかりと捉えているだけでなく、細かな部分まで自分自身の言葉や図で詳しく説明できるレベルにあります。
もし学んだことを自分の手で絵や図に描き表すことができれば、それはその内容を十分に、かつ本質的に理解しているという確かな証拠になります。
逆に言えば、どんなに分かったつもりでいても、それを図や絵に描き出すことができないのであれば、まだ理解が不十分で、表面的な知識にとどまっている可能性があります。
よく言われる「人に教えると覚える」ということもこの第3段階の状態になります。
自分が理解イメージできていないことは人に教えることができない。
つまり、理解イメージできていることは人に教えることができる。
ということになるのです。
ノートに「書く」習慣が未来を助ける
このような理解を深めるプロセスを日常の学習に取り入れるためには、勉強中にノートへ積極的に書き込む癖をつけることが推奨されます。ノートは、誰かに見せるための提出物のように丁寧に清書する必要はありません。
むしろ、自分の思考を整理するために手を動かし、色々なことを書き留めて覚える方法が、記憶の定着や理解の促進には非常に効果的です。
小学生のうちは問題自体が比較的シンプルなため、図を書かなくても頭の中だけで計算し、答えだけを書いてしまいがちです。
しかし、こうした「頭の中だけで済ませる癖」は、後々の学習において大きなリスクとなります。
今は正解を出せていても、中学生になって問題の難易度が上がったときに、思考が追いつかずつまずいてしまう大きな原因となってしまうからです。
そのような場合は、まず算数の学習から始めてみるのがスムーズです。
最初から複雑な図を描こうとする必要はありません。
まずは算数の式を、答えにたどり着くまでの順序に従って一つひとつ書いていくことを習慣化します。
こうした「自分の考えを外に出す」という小さな積み重ねが、将来にわたって役立つ「本当の考える力」の確かな基盤を築いていくことにつながります。

