学力を伸ばすための近道

 


学力を伸ばすために最も大切なことの一つは、「受身の姿勢にならない」ことです。

勉強を始めたばかりの頃は、分からないことを学ぶ段階なので「教えてもらう」姿勢になるのは当然です。

しかし、その状態がずっと続いてしまうと、学習は「受身」のまま進んでしまいます。

すると、いつの間にか「分からないから教えてもらう」のではなく、「最初から説明を待つ」という姿勢に変わってしまいます。

自分では何も考えず、ただ解説を待つだけの状態です。

この時、生徒は教えてもらったことで「勉強した気」になり、教える側も「しっかり教えた」という満足感に浸ってしまいがちです。

しかし、実際には生徒の頭の中には、内容はほとんど残っていません。

知識を自分の力にするためには、まず「自分で考える力」を育てることが不可欠です。

この力がつけば、自然と受身の姿勢を脱却でき、学力もぐんぐんと伸びていきます。

【勉強を止めてしまう「赤ペンの落とし穴」】

中学生の自習でよく見かける光景があります。

例えば10問の問題を解いて4問間違えたとき、その場所にすぐ赤ペンで正解を書き写して終わらせてしまうやり方です。

ここには大きな「落とし穴」があります。

間違えた箇所に赤字で答えを書くと、それが「勉強を頑張った証拠」のように見えてしまうのです。

本人だけでなく、周りの大人にとっても「こんなに赤字があるのだから、一生懸命取り組んでいるな」と映ってしまいます。

その結果、「こんなに勉強しているのに、どうして成績が上がらないんだろう」という、悲しい勘違いが生まれてしまいます。

間違えた理由を理解せず、ただ答えを写すだけでは、それはまだ「勉強」ではありません。

「理解したつもり」で満足し、思考を止めてしまうことこそが、学力を停滞させる「受身の姿勢」の正体なのです。

本当の「勉強」は、解き直しの先にある】

本当の意味で勉強したと言えるのは、「分からなかったことが、自力で解けるようになった時」です。

10問中4問間違えたのなら、まずは解説をじっくり読みましょう。
その後、もう一度解き直してみて、自力で正解できた時に初めて「勉強した」と言えるのです。

赤ペンで丸をつけるのは、この段階になってからで構いません。

4問の答えを機械的に写すよりも、たとえ1問だけでも自力で解き直す方が、確実に学力はつきます。

「勉強ができる」と言われる人は、この「解き直し」を丁寧に行い、確実に自分で解ける問題を増やしています。

だからこそ、次に間違える数を減らしていけるのです。

一方で、ただ答えを写すことを繰り返す人は、いつまでも同じ間違いから抜け出せません。

たとえ多くの問題を間違えたとしても、「今日はこの1問だけは自力で理解しよう」という気持ちで向き合うことが大切です。

その積み重ねが「自分で考える力」を育て、受身の姿勢を卒業することに繋がります。

一つひとつを確実に理解していくこと。

これこそが、遠回りに見えて、実は学力を伸ばすための一番の近道なのです。